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高森明勅
2014.6.6 15:08

陛下の「道徳的警告」

足尾鉱毒事件の爪痕は、1世紀以上の歳月を経た現在もなお、
はっきりと残り続けている。

その意味で、「事件」は決して終わっていない。

陛下のご行動によって、我々は改めてその事実に気づかされる。

後に大逆事件で死刑になった幸徳秋水が起草し、
田中正造が明治天皇に渡そうとした直訴状を、
陛下ご自身がわざわざ田中の出身地までお足を運ばれて、
お読みになった。

これは到底、尋常な出来事ではない。

百年以上の歳月を超えて、このような「道徳的警告」

ごく自然体で発し得るのは、恐らく「天皇」
という
ご存在のみではあるまいか。

陛下のこの度のなさりようから、
平成の今、
眼前にある福島第1原発の事故による
被害への思し召しも、
自ずと拝察することが出来る。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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